· 

高齢者の免疫力

 新型コロナウィルスに感染者で、高齢者は重症化もしくは死亡率が高くなっています。

 高齢者もしくは持病がある人は免疫力が低下しているためだと考えられていますが、そもそもどうして高齢者や持病がある人は免疫力が低下するのでしょうか。

 免疫細胞は血液の白血球にありますが、白血球は骨髄で大量作られ、胸腺というところで実際に免疫として働く細胞になるように「教育、選別」され、そこを通過「卒業」した免疫細胞だけが、免疫細胞としての機能を持ち、体に侵入した異物から体を護る働きをします。

 胸腺は本当に「狭き門」の学校で、そこを卒業できる免疫細胞は0.1%にもなりません。

 胸腺は生まれてから乳幼児の時に最も活発に働き、成人する頃には活動性が低くなり、年齢とともに萎縮して80代~90代の高齢者は100分の一になってしまうそうです。エラーの免疫細胞も蓄積し、その結果、高齢者の免疫細胞は若い人に比べると激減しているため、感染症にかかりやすく、重症化しやすくなっています。

 持病がある人も、疾病と闘うために免疫細胞が消費されたり、疾病が原因で免疫が働きにくくなっているために感染症にかかる確率が高くなります。

 感染症予防のためには、このように免疫力の低下している人に移さないようにすることが、最も注意すべきことだと思います。