免疫学者宮部昌之氏が新型コロナウイルス感染治療における免疫抗体の働きについて解説していました。
現在ワクチン開発が進められて、ワクチンが出来さえすれば新型コロナウイルス感染は撲滅できるとマスコミなどで報道されていますが、実際はワクチンにはそれほどの効果は期待できず、インフルエンザワクチンと同様の効果(感染症状の軽減はできるが、完全に感染予防は不可能)であろうと。それゆえ、ワクチンが開発されても毎冬のインフルエンザ流行状況と似たような感染状況になるのではないかということです。
それは抗体は私たちが考えているほど「万能」ではなく、また抗体の働きにも大きくわけて3種類あり、人体に有用な抗体だけなく、効果がないもの、悪い影響を与えるものがあるということで、新型コロナウイルスで重症化に悪い抗体が作用していることがわかってきたようです。
そしてウイルス感染をしても症状がでなかったり、軽症化ですんだりするのは、2種類の免疫のうち自然免疫の作用によるもので、これは抗体ができる獲得免疫とは作用の機序が異なります。
自然免疫は免疫の門番のような働きで、人体へ侵入する様々な異物を対象を限定することなくマクロファージなどの貪食細胞などがすべて「食べて」破壊します。
しかし自然免疫だけで退治することができなかったり、それをすり抜けたりした細菌やウイルスに対して、B細胞が抗体をつくりそれを死滅させる獲得免疫機構で異物を退治します。
抗体ができるまでに数日かかります。
そしてこの抗体には先に書いたように実は3種類のものがあるようで、ワクチンの対象となるのは効果のある抗体です。
自然免疫の働きは加齢とともに減少し、50代は20代の半分!になってしまうようです。だから高齢者の重症化率が高いのですね。
宮坂氏はマスク着用(飛沫の9割以上を防げる)し、対人距離をウイルス飛沫が届かない1.5メートル以上、手洗い励行で、新型コロナウイルス感染予防ができるということで、政府の指針である8割接触削減など集団感染予防は効果がないのではないかということです。
自然免疫を高めるには、とにかくストレスをためないこと、軽い有酸素運動が効果あり、またウイルス感染は体内時計の働きに影響されるので、規則正しい生活を送ることが大切だと。
感染者拡大で恐怖におびえるよりも、まず自分にできる感染予防をしっかりとこころがけて、普通の生活を送るように努めようと思いました。
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