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クチナシの香り

 緑道沿いの白いクチナシの大輪の花が、早朝の雨に濡れそぼって咲いていました。

 私は、梅雨のこの時期に咲く白い大輪のクチナシの花が大好きで、アジサイとともに梅雨時期の楽しみとなっています。

 柔らかな微かなクリーム色がかった白い花がたわわに開いたクチナシの木は、いかにも重そうに感じられます。

 花は白いのに、種の中身は黄色をしていて、お正月の栗きんとんの色付けに使われます。

 この白い花の奥に鮮やかな黄色の源を秘めている、不思議な花です。

 近づいて香りをかいでみましたが、全く香りがしません。

 「シクラメンの香り」とは、香りのしない花の代名詞ですが、

 「クチナシの香り」もその中に加えようと思いました。