地域エコノミスト藻谷公介氏が「共同主観」という言葉を言ってました。
「共同主観」とは、吉本隆明の「共同幻想」から新たに藻谷氏が作られた造語だと思いますが、「共同幻想」が、日本人の精神の底に共通する古来からの幻想なるものを過程し、それが現在の社会思想の根底にあるとするものですが、「共同」と「主観」という全く別の概念をくっつけたところに、「共同幻想」よりもさらに意識され、本人は「主観」だと思い込んでいる「幻想」が現在の日本社会を覆っているということを指摘したいのだと思います。
つまり、藻谷氏が常々言っているように、「現場を見る」、「一次資料を参考にする=データを真摯に見る」ということをおろそかにして、まず自分の主観で世界を捉えてしまう傾向が日本社会にあるということです。
日本中のすべての都道府県市町村を己の目と足で直に定期的に訪れ、「定点観測」されている藻谷氏のいうことには事実の持つ説得力があります。
例えば、今回のコロナの第一波が、中国経由ではなく、ヨーロッパから帰国した人によって広まったことなど、人々の思い込み=共同主観が社会の常識として定着してしまい、事実とはかけ離れてしまっていることを前提に政策が推し進められてしまっているということ。
共同主観を打破するためには、藻谷氏のいうように、今は誰でもインターネットなどを利用して手軽に一次資料にあたることができる環境にいるのだから、自分自身で直接生のデータに触れ、それが何を意味しているのか考える思考習慣を身につけることが大事だと思いました。
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