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恐怖を煽る効果

 緊急事態宣言解除されても、まだ感染者がだらだらと発生して、「これですべてOK!」という具合にはしばらくなりそうもありません。

 政府やマスコミも「第二波に警戒」、「気を緩めると、再び」、「新しい生活様式を」など、注意をひたすら呼びかけています。

 コロナウイルス感染で、先進国の中では感染拡大を抑え込んだとWHOに評価された「ジャパンモデル」ですが、

これに一番に貢献したのは、様々な日本人の生活様式や医療体制の充実よりも、山がちで平地の少ない島国に1億三千万人がひしめいて暮らしてきた中で培われてきた日本人の精神性の特色である「集団圧力」に対するセンシティビティではないかと思います。

 感染予防のためには、自分自身が感染しないことと、他人にうつさないことの両方が必要ですが、日本人の場合、他人にうつす(もしくはその可能性がある)行動に対する強い拒否の気持ちが、「うつしてしまったら、村八分」的な恐怖を生み、それが集団圧力となって、個人個人の行動制限に作用していると私自身の気持ちを鑑みても感じます。

 「自粛」という言葉がこれほど社会に浸透している文化は、世界中の民主主義を標榜している国家においてないのではないでしょうか?

 今回のコロナウィルス流行に際しては、この日本人のメンタリティが人との接触機会を減らすことを容易にし、感染拡大に効果があったように思います。

 しかし、この傾向は容易にエスカレートして、「五人組」制度のようにならなければいいと、宣言解除後に盛んに感染の第二波の恐怖を煽っているような政府やマスコミの主張に感じます。

 感染予防に心掛けながら、心の風通しも良くしていきたい。

 そんな矛盾する思いを抱いています。