辻川覚志著の「老後は独りくらしが最高」シリーズを読んで、老後の幸せ度を左右するのは、
その人自身が自身の状況(老いた自身の)に満足をしているかどうかであると教えられました。
満足=自己肯定だと思います。
老いて、体が不自由になり、長年連れ添った伴侶と死別したりと、経済的不安もありと、老後の生活は、かなり厳しい現実が「不本意」に押し寄せてくるということが、大阪の耳鼻咽喉科医院で診察にくる患者さんや、NPO活動での聞き取り調査から明らかしています。
そして興味深いことに、それらの過酷な実情と、本人の感じ方は、相関関係にあるわけではないということです。
そのキーワードが「独り暮らし」であること、それは必ずしも現実に独り暮らしをしているということではなく、精神的な独り暮らしを含むというものでした。
辻川氏は、聞き取り調査から、老後の幸せを左右するのは、自身の状況に満足しているか否かであり、満足の要因は精神的な自由を実感しているかどうかということだと結論づけています。
体がどんどん衰えてきて、身体的苦痛や精神的な寂しさ、長年親しんできた者との別離など、老後は誰にとっても厳しい現実をそれぞれに突きつけられてきますが、それをどのように受け止めるかは人それぞれですが、肉体的や経済的な制限があろうとも、精神の自由を実感していれば、家族と同居していようが、独り暮らしであろうか、変わりはないのだと知りました。
むしろ、家族と同居している人の方が満足度は低いという実態には、この精神の自由ということが大いに関わりがあるということのようです。
家族がいても24時間見守ってくれるわけではなく、かえって、気遣いしつつ暮らし続けるのは、ただでさえ、体が弱ってきて気力も衰えているのに、余計な気苦労を背負うことでもあるからです。
家族と同居し、独り暮らしに関係なく、老後の満足度を決定するのは、己の人生を納得いくように生き抜くことなのだと教えられました。
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