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マスクから思うこと

 患者さんから手作りマスクを頂きました。

 自宅にある使い捨てマスクは1枚しかなく(汗!)、汚いのを承知でドラッグストアに並ぶのが嫌で使いまわしていましたので、繰り返し洗える布マスクは大助かりです。そしてすてきなラベンダー柄がちりばめられていて、マスクをつけるのが楽しみになります。

 本当は私のような状況にある者は、政府の給付する布製マスク一家に2枚配布を感謝すべきなのでしょうが、あまりにも愚策であることの抗議として、絶対使わないぞ!と決めていました。

 東北大震災の時も肝に銘じていましたが、「未曾有の」事態に遭遇して、ベストな指針を立てることはどんな人にとっても難しく、政治の指導者を批判するだけでは事態は収拾しない、当事者として自分自身もどうすればいいか、まず足元を固めようと思っていました。

 しかし、今回のコロナ流行に際しては、同じような被害を受けている他の国の指導者との比較が可能なので、どうしても日本政府の指導力のなさが露呈してしまい批判的になってしまいます。

 たぶん、日本政府は、日本よりも被害の深刻な国の対応よりも、また、中国のような全体主義の国家のやり方よりも、もっとソフトなコントロールで、同調圧力の強い国民性を頼みて、経済的打撃を最小限に抑えるバランスをとりつつ、かじ取りしていこうという指針なのだと思います。

 それは日本人の国民性でもある、現実を真摯に見つめる強さがなく、希望的楽観的なヴィジョンに載っかかって、事態の進行にまかせてしまう傾向が推進力にもなっていると、日本人の典型である私自身を鑑みて思います。

 世界各国の惨状は、さすがに甘いビジョンの日本人の心を揺さぶってはいますが、まだまだ、「自分は違うのではないか。」との思いがぬぐえていない気がします。

 事態が深刻になってからでは遅い。そうなる前に事態の経緯を冷徹に見通し、まだ対処し改善する余裕のある今に未来に備えた行動をどうすればとれるのか?

 マスクを手にしていろいろ考えています。