ラジオで「顔学」の先生が、顔をめぐる人類学的、文化的、社会的な話をされていて、興味深かったです。
人類は他の生き物と異なり、顔が毛でおおわれていない、唯一のむき出しの顔を持つ生き物だそうです。
そして他の動物が口は攻撃の武器となるために口の筋肉は硬くなっているのに対して、人類の口は柔らかく、したがって表情を作りやすいつくりになっています。
それらは、すべて、顔がコミュニケーションの手段であり、感情を顔の表情を通じて伝えやすく、
「みんなで一緒」に暮らすために有利なつくりになっているそうです。
さらに面白いと思ったのは、
現在コロナの感染予防のために、世界中の人々がマスクをしていますが、
当初、日本人には抵抗が少なかったマスク着用を、西洋人が拒否反応を示したことです。
顔のどの部分を隠すのか?
すなわち、コミュニケーションにおいて、顔のどの部分を重視しているのかを表わしているかを反映していることであり、それはマスク⇔面が用いられてきた文化的背景にも現れているということです。
西洋人は、「目を隠して口を隠さない」。
日本人は「目を隠さないで、口を隠す」。
これは、顔のどの部分で相手の感情を読み取ったり、自分の感情が顔に現れることを隠したりするかを表わしていて、西洋人は口の動き、日本人は目の動きが、コミュニケーションで重視されているからです。
これは、意外に感じました。
日本人はコミュニケーションにおいて、西洋人のように目を見つめあうということを避ける傾向があると感じているからです。
しかし実は目のコミュニケーションにおける比重が高いからこそ、かえって生生しく感じられるからかも知れません。
コロナによって、西洋人も期せずしてマスク着用を強いられるようになりましたが、
彼らのコミュニケーションに変化があらわれてくるでしょうか?
コメントをお書きください