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待つということ

 生来のせっかちで、待つということが苦手「でした。」

 「でした。」と過去形にできるのは、若い頃とくらべて自分でもびっくりするほど、

 特にコロナ禍のここ2年ほど、待つことを苦に感じなくなりました。

 むしろ、待つことを喜びに感じるほどになりました。

 たぶん、根に実存的な不安感があって、自分の周囲の物事をコントロールしたいという強い欲求があるために、

 それが不可能な状況になることを極端に嫌っていました。

 だから、状況に身を任せなければならない「待つこと」は、私のもっとも苦手とすることでした。

 でも、コロナ禍になり、自分ではどうしようもない状況に置かれて、思い切って、状況に身を任せてみることをしてしみました。

 「ケ・セラ・セラ、なるようになる。。。」。以前ならば、それは改善できる状況を放棄した無責任の態度のように思えていましたが、実際、そうならざるを得ない状況が存在し、そして何もしないこと=待つことが、特に精神的健康を保つためには最善の方法の場合もあるのだということを体験しました。

 状況を包括的に捉え、自分で何とかなる部分には最善をつくし、そして、自分の力ではどうしようもないことに対しては、素直に状況に身を任す。そしてその時間を、自分に与えられたフリーハンドの時間だと捉え、大いに満喫する。

 未来を心配せず、「今、ここ」を味わうという、マインドフルネスに近づけたような気がします。