東京は昨夜梅雨明けから3週間ぶりに雨が降りました。今日も一日降ったり止んだり、1か月前の長雨を彷彿させる天候になるようです。あの長雨さえも懐かしく感じるほど、晴天猛暑の日々がつづいてきました。
昔から「夏の終わり」という言葉に強く惹かれてきました。
檀一夫の「火宅の人」の中で、主人公の男性が散々無頼的な生活を送っていた晩夏の時期に
「あ~夏が終わった。夏が終わった。」とつぶやくセリフがとても印象的だったのを、読書当時中学生だった私は、
令和の猛暑と比べれば穏やかだった昭和の夏でしたが、夏の暑さとその収束というコントラストに共感しました。
四季の中でも、「春の終わり」、「秋の終わり」、「冬の終わり」という言葉は「夏の終わり」ほど聴くことがないように感じます。
それほど、夏という季節は、その始まりー梅雨明けー、その終わり、-台風通過などで急激に秋の気配ーと、季節の始まりと終わりが明確であるからなのでしょう。
そして夏は、それを実際に体験しているときは、その強烈な暑さに加えて、夏休みの休暇という非日常の経験とも重なって、特にインパクトが強く、そしてその終わりは、往々にしていきなりであることが多く、強く意識されるのでしょう。
今までのうだるような暑さはどこにいったのか?
でも今年の夏は、これまでの暑さは幾分和らぐとは言え、まだまだ残暑は続くようなので、
「あ~夏は終わった」と心底感じるのは、もう少し先になるのかもしれません。
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