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臭いは記憶で認識

 去年までNHK第一朝の「すっぴん」を毎日聞いていて、アンカーの藤井彩子アナのファンだったので、彼女の声が聞きたくてNHKアナウンサーのスケジュールを教えてくれるサイトで、藤井アナの担当の番組を調べたら、

「ヒーマンサイエンス」というBSの番組でホストをつとめていることが判明。

 早速ユーーチューブ(テレビがないので)で観ました。

 テーマはこれもファンである生物学者福岡伸一氏のでている「嗅覚」です。

 嗅覚について初めて知ることが多々ありました。

 他の五感の認識とは違い、嗅覚は外部から取り入れた情報を認識するのに、

 嗅覚の伝導経路が、脳内の海馬や扁桃体と接していることから、

 臭いの感覚を認識する際に、記憶や情動によって、過去に同じ経験をした際に嗅いだ臭いとして同定しているということ。

 また、以前も私は梅の香りを認識できないと書きましたが、

 嗅覚の受容体には遺伝的バリエーションがあり、個人個人で嗅げない臭いがあるということもわかりました。

 そして嗅覚異常がたの疾患と比べて5年死亡率に結び付いているということ、

 嗅覚の異常が身体の何等かの異変を告げているということは、

 2年前に91歳で急逝された患者さんが、亡くなる直前まで頭もしっかりされていて、脚が不自由なだけでしたが、数年前から嗅覚が麻痺されていたのを思い出しました。

 人間は他の動物と比べて視覚が異常に発達したために、嗅覚が衰えたそうですが、

 病気で嗅覚障害に陥った方が、

 「臭わないことで、生きることの喜びの多くを失った。」とおっしゃっていたのが印象に残っています。

 コロナの症状で最も顕著なのが嗅覚障害で、これは治っても後遺症として残る場合もあるようです。

 臭いという最も原初的な情報は、生きていく上で大切な感覚であると改めて認識しました。