よく日本文化は「ハラの文化」と言われますが、福土審著「内臓感覚」は、脳腸連関というメカニズムによって、それが実際に身体機能として存在していることについて解説しています。
脳とハラ=消化器官は、神経伝達物質、ホルモンなどによって幾重にもコミュニケーションされています。
福土氏は過敏性腸症候群の専門医として、腸と脳の関係を研究、臨床治療されています。
過敏性腸症候群の患者さんだけでなく、脳と腸は深く関係していて、ストレスを感じた時に、腸に異変が生じることは、多くの人が経験しています。
とりわけ腸と脳の結びつきで重要だと思ったことは、脳は意識に上ることがなくても、24時間、腸と脳は情報を伝えあっているということです。
意識に上らない=サブリミナルな情報は、ハラ=腸で感じ取り、ハラの違和感でそれを私たちに訴えます。
日本語に「ハラ」で表現される情動が数多くあり、日本人はハラの感覚に敏感であったと思われます。
現在の日本のストレス社会で過敏性腸症候群の患者が増えてきているのは、もともと繊細な人間関係をハラの感覚で無意識のうちに感じ取ってきた日本文化が、そのキャパを超えるストレスによって、脳よりも先に腸が悲鳴を表明しているのではないかと感じました。
「腸に聴け!」。腸は脳よりも正直に私たちに告げてくれます。
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