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言葉と武力

 ロシア軍がウクライナに侵攻して2週間が経っても、ロシア軍はウクライナ全土を制圧できていません。

 連日の市街地への爆撃や、250万人の避難民が発生していますが、最新鋭の戦闘機を持つロシア軍は、

 いまだウクライナの制空権を掌握していませんし、戦闘でもウクライナ軍の予想以上の抵抗によって侵攻速度がにぶっているようです。

 敵からの侵略を守るという愛国精神に燃え、世界各国から支持を受けるウクライナ軍の士気は高いのと対照的に、

 全男子に1年の徴兵制によって構成されているロシア軍の兵士たちの士気は何によって支持されているのでしょうか?

 先進国のロシアの21世紀に生まれ育ったロシアの若者が、劣悪な戦闘環境、死ぬかもしれない恐怖に囚われながら、世界中から侵略戦争と非難される中、闘いを強いられる兵士の士気は高まるはずがありません。

 何のために自分の命を捨ててまで、他国に侵略するのか?

 納得のいく思いを抱けないまま戦闘に参加するロシア軍は、長期戦になればなるほど、白アリのようにロシア軍の内部から統制力を蝕んでいくでしょう。

 情報統制があるにしても21世紀のグローバル時代。

 ロシア国民はSNSなどで自国の正当性に疑問を抱き、

 経済統制によって日常生活に不自由するようになると、

 ソ連時代とは違い、国民は言論の自由を享受している現在、

 ロシアの市民からの戦争忌避感情は高まり、プーチンへの批判は、どんなに言論統制をしようと高まってくるでしょう。

 KGB出身のプーチン氏の冷戦時代の認識と、21世紀のロシア国民の意識のずれが、この戦争を終わらせると思います。