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パンク マイウエイの衝撃

 NHKラジオ番組「飛ぶ教室」を毎回聴いて(聴き逃し配信)います。

 作家の高橋源一郎氏が、前半は一冊の本を取り上げて語り、後半はゲストとのトークというもので、

 ファンだった「すっぴん」という朝のNHK番組の中のコーナーがそのまま引き継がれた番組で、引き続き愛聴しています。

 今回取り上げた本は、アメリカの社会哲学者エリック・ホッファーの自伝でした。

 ホッファーは沖中士をしながら、放浪生活の中で読書による独学によって生み出された独自の思想を人生後半の60代ごろになって本として発表するようになった70年代の伝説的な人です。

 後半は物理学者の早野龍吾氏で専門の物理学の知識による福島原発事故についての見解やその後の被害状況の調査なども積極的に発言されてきた人です。

 前半から後半へのつなぎに高橋氏が選曲した曲が流れるのですが、今回は、「セックスピストルズ」のシド・ビシャスによる「マイウエイ」でした。

 シド独特の(たぶん)カリカチュアを狙った出だしで始まり、途中からパンク調に変わり、最期は完全に彼の世界になっていました。

 このぱちゃめちゃな「パンク マイウエイ」を聞いているうちに、なぜか涙がこぼれるほど感動しました。

 これは「ボヘミアン・ラブソティ」を聞いた時と同じでした。

 私は日頃パンクもロックも聞くことはなく、最近はクラッシックでチェロやピアノ曲ばかりを聞いています。

 もしかしたら、ボーカルの死(シドはオーバードース、フレデリはエイズ)を無意識のうちに意識していたのかも知れませんが、

 やはり、世界中の人を魅了する彼らの声には、月並みな言葉ですが「魂の響き」が込められているのだと実感しました。

 それが私の心の奥底の何かを震わせたのだと思います。

 そんなことで、昨日はY-TUBEでシドの「マイウエイ」を繰り返し聞いて過ごしました。