図書館で借りた10冊の本を読み終えて、5月末までの休館中どうしようかと途方にくれていましたが(テレビがなく、重度の活字中毒なので)、幸い大家さんが塩野七海氏の「ローマ人物語文庫版全30巻」を貸してくださいました。「ローマ人物語」は「五賢帝時代」まで読み進めていましたが、今回は最初から読み直してみるつもりです。
歴史学者藤原辰史氏の論考「パンデミックを生きる指針 歴史研究のアプローチhttps://www.iwanamishinsho80.com/post/pandemic」を読んで、昨今軽視され、特に今のような「非常時」においては、実務的な学問への偏重が益々強まり、人文系の学問不用論まででてきそうな風潮への異論反論として、歴史学のような人文系の学問が社会の危機的状況を長期的な視点で乗り切りために不可欠であることを力強く説得力のある筆致で訴えていて、歴史学の意義を強く実感しました。
緊急時代が生じた時、まず、私たちは目の前の危機に対処するために、交感神経を緊張させて視野狭窄が生じてしまう生存に有利な本能的な状態になります。
この危機が長期的に人間社会にとってどのような影響を与えるのか?即時的に危機に対応することと並行して、この危機を乗り切った後の社会のあり様に想像を働かせて、今までの社会がもはや存続不可能であり、新たな様相をていしているという事実に向き合い、新たな社会の構築のビジョンをどのように得ればいいのか?
それは過去の歴史を知り、そこから深く学ぶことが肝要だと、藤原氏の論考から教えられました。
とりあえず、私の手元には30巻のローマ帝国についての塩野氏の論考があります。氏の考えに耳を傾け、ローマ帝国を何度も襲ったであろう疫病についての記述も参考にしながら、コロナ流行のため休業状態の時間を、歴史にどbっぷりひたってみることにします。
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