劇作家平田オリザ氏が、「(アフターコロナ・首都圏直下地震対策として)リスクヘッジとしての地方分散」を提唱していました。
現在彼が主催する劇団や自身の住居の拠点を2017年から東京駒場から兵庫県豊岡市に移し、この地の文化事業に関わり豊岡市を世界的演劇都市として発展させること、演劇の力による地方再生を目指して新しい文化劇場の開設など様々な試みをされてきています。
地方の視点から発する平田氏の思いに、10年前から亡き父の、そして現在は一人暮らしの母の介護のため定期的に山口県萩の山間にある実家へ帰省するたびに感じることと重なります。
地方がさびれている、少子高齢化で消滅すると、経済的な観点からのみ悲観的な意見がでています。
でも圧倒的に豊かな地方の自然に触れるたびに、経済的な指標だけで評価されることに疑問を感じます。
平田氏が見出した潜在力は、演劇界でさえも東京を頂点とする価値観のヒエラルキーの視点からはずれて、別の価値観により見出されたものだと思います。
そして今回のコロナ禍で明らかになった過密性の弊害や今後予想される首都圏直下の災害など、首都圏一極集中の弊害が言われている昨今、地方分散というリスクヘッジがもたらす恩恵を真剣に考えなければならないと強くかんじました。
都会育ちの平田氏が、地方に可能性を見出し、身を持って挑戦している様子を垣間見て、地方出身の私も故郷の可能性に思いをはせる日々です。
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