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ローマ人づけの1か月

 コロナ禍で図書館が5月31日まで休館と知らされた4月7日。「え~2か月も新たに読む本なくてどのように過ごそう。。。」と、毎日1冊読破している重度の活字中毒の私は途方にくれてしまいました。

 自宅にはテレビがなく、情報はもっぱらNHKラジオ(民間局はCMが煩いので)第一はニュース、第二は英会話講座を聞くだけ、膨大な一人の時間を読書で埋めているので、どうしようか。しょうがない、自宅にある本を再読するかと思っていました。

 そのような状況を気にかけてくれた大家さんから「『ローマ人物語全巻』貸しますよ」との申し出があり、以前に五賢帝の巻まで読み進めていましたが中断していた、塩野七生著「ローマ人物語」を初めから再読することにしました。

 文庫本31巻まで出ていて、その後は単行本4冊。

 文庫本はちょうど一日に一冊読むぐらいの長さなので、毎日一冊づつ読み進め、現在30巻目に突入です。

 世の中はコロナについての情報が飛び交い、私自身も治療に来られる患者がほぼゼロの日々で、生活にはモロ影響受けているのですが、読んでいる最中は、頭は2000年前のローマの世界にどっぷりとハマって、確信的な現実逃避です。

 多分このような機会がなければ、「ローマ人物語」を全部読み終えることはできなかっただろうと、読んでいるときに味わう高揚感に浸れる時間を与えられたことを感謝しています。

 これもコロナ流行が始まってから、無理にでも楽観的に捉えようと考えた「コロナ御利益」なのでしょう。

 塩野氏の「ローマ講釈」の口上を聞く楽しみに浸って、不謹慎ですが、もうしばらく流行が続いてほしいとさえ思っています。