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災害と命

 昨日も昼過ぎから空が暗くなり、雷の音がゴロゴロした下かと思うと、

 激しい雨が降ってきました。

 夜にも再び雷鳴がして雨になりました。

 梅雨末期前線の北上に伴って暖かい空気が南から流れ込むため、このような荒れた天気になるのでしょう。

 近年の雨の降り方は、過去の災害教訓から災害日本で築き上げてきた治水のテクノロジーの想定を超える事態になっているようです。

 科学万能の昭和の子供であった私は、人知で自然災害は克服できたような錯覚を抱いて大人になったのですが、

 東日本大震災や近年の集中豪雨による被害を目の当たりにして、

 人間は自然の脅威を全く克服できていない。

 人間の力に対して、自然の力のスケールの大きさの違いをまざまざと見せつけられて、確信しました。

 テクノロジーの進化で可能なのは、災害を防ぐ技術ではなく、予報の技術の進化によって、

 できるだけ被害に合わないように「逃げる」という受け身の消極的な対策だけだということです。

 「減災」という言葉が最近聞かれるようになりましたが、

 自然の脅威に対して、人間ができることは、できるだけ災害の被害を少なくすることしかできない、

 災害に対しては、防災は不可能で、人命救助だけを目的に絞るしかないのだと改めて気づきました。

 「命が助かる行動を取ってください」

 というような台詞が頻繁にラジオからながれてくるようになってきている今日、

 まさか、災害で命を落とすなんて想像していなかった事態が起きている。

 新たな自覚が必要だと実感しました。