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朝風呂でサコ氏に出会う

 台風が東京を直撃するコースをとるようで、日曜未明まで雨がつづきそうです。

 昨日は久しぶりに朝風呂。

 実は小雨になっていて、走れないことはなかったのですが、

 気分はすっかり朝風呂モードになっていたので、中止にして朝風呂しました。

 京都精華大学学長でマリ人のウスビ・サコ氏の「サコ学長 日本を語る」を風呂につかりながら読みました。

 サコ氏の本は「これからの世界を生きる君に伝えたいこと」を読んで、氏の異文化に対するフレキシブルな感覚に教えられることが多々ありました。

 今回の本は、教育者として、日本社会の益々強くなってきている予定調和的な締め付けの被害を最も被り、幼いころから見えない枠組みに心身ともに萎縮してしまっている若者に、

 もっと広い世界があるんだよ。

 君たちの感じるままに発言し、行動していいんだよ。

 けれども、自分が決定してなした事柄については、自分で責任を取ること。

 サコ氏が最も大切にする「自由」を、自らの生き様を見せながら語っていました。

 アフリカ人として日本で生活して、キャリアを築き、結婚して家庭を持つことには、並々ならぬ苦労があったと思われますが、

 それについての愚痴などは一切なく、自分が自由であるために、自分が動き、周囲を巻き込み、変えていく。

 自由は与えられるものではない、自分からつかみ取るものだということを、

 閉塞感の強まる日本社会でサコ氏は実践しつづけています。

 これほど強い想いで日本社会を憂い、その未来を若者の可能性に託している教育者はサコ氏をおいていないんじゃないかと思えるほど、

 (日本人のすれっからしからすれば)新鮮で青臭い教育理念を語る教育者はサコ氏をおいていないのではないかと感じて、改めて教育の社会的・個人的役割を鑑みました。