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桜餅

 昨日は東京は雨が降ったり止んだりの一日でした。

 これでソメイヨシノの桜の花が完全に散ってしまうでしょう。

 ほんと、桜の花の開花時期は短いですね。

 特に今年は温暖化の影響もあって、開花時期も早く、咲いてる時期も短く、

 「はかなさ」という言葉がぴったりな桜をことさら強く感じました。

 ソメイヨシノと入れ替わるようにして、八重桜の鮮やかで豪華なピンクの花が咲き誇っています。

 八重桜の開花も例年よりも1週間以上早いようですね。

 私はソメイヨシノの薄紫の花も好きですが、八重桜のあでやなピンクの花が、くすんだ緑の葉に這えながら

 枝一杯に重たそうに咲いている様のほうが、好きです。

 きっと八重桜の葉が、「桜餅」を包む葉を連想するからでしょう。

 西日本出身の私は、桜餅というと、東日本では「道明寺」と呼ばれる和菓子を思い浮かべて、

 東京で桜餅として売られている、平たい桜色に染められた生地でこしあんを包み、桜のはの塩漬けでくるんだものを、23歳で上京してからはじめていただきました。

 これはこれでおいしく、桜の花の咲く時期には、両方(笑)を食べ比べています。

 同じ「桜餅」の和菓子の名称にも、別のそれを指しているなんて面白いですね。

 季節の巡りを、味覚、視覚、嗅覚で感じることができる和菓子は、日本的な情緒を食で表現していて、

 「季節の甘さ」をほおばる幸せを感じます。