沖永良部島で地球環境問題に実践的に取り組んでいる石田秀輝氏の最新著を読んで、不自由、制限という概念がひっくり返るのを感じました。
石田氏の指針は、ネイチャーテクノロジー=自然のエコな仕組みを利用した技術を用いて、自然と共生できるぐらいの制限や不自由をあえて負荷し、それに価値を見出し、積極的に楽しむという「バックキャスト」の思考です。
これまでテクノロジーの進歩は、フォーキャストの思考から生まれてきました。
それは不自由や制限を取り除いて、人間に代わってそれを代替してくれて「楽に」生活できるようなテクノロジーでしたが、私たちが暮らす地球環境という取り除くことのできない「制限」の下、それに負荷をかけずに、それでも楽しく暮らしていくかという発想です。
文明=テクノロジーの進化を否定した暮らしは、自然に帰るという名の下、実態は文明の利器を手放すことによる「我慢」、「忍耐」を被りながら、理念優先の暮らしになりがちで、強い意志が必要とされてきました。
しかし、沖永良部島の自然とそこに暮らす人々のコミュニティに魅了された石田氏は、自然豊かであっても、島という閉鎖された制限の多い環境で、それでも「楽園」のように暮らすすべを次々と実践しておられて、本当に人生をエンジョイされているようでした。
私も東京という都会で、望めば最先端のテクノロジーを享受することが可能な環境で、身近で実践できるところでバックキャストを実現できるものを見出していこうと思いました。
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