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戦争とハイテク

 ロシアのウクライナ侵攻が始まって1週間が経ちました。

 現地から送られてくる爆撃を受けた市街地の映像や、シェルターの地下鉄で爆撃から逃れてきた人々や、隣国へ非難しようとして駅に集まる群集の映像を見て、戦争が現実のものなのに、なぜが映画やドラマを観ているようなリアリティが感じられません。

 それはウクライナという日本から遠い世界で繰り広げられているためもあるのでしょうが、

 21世紀の現在、地球環境問題など世界全体が喫緊の課題に取り組まなければならない時に、無意味な戦闘が始まることが信じられない思いに包まれているからだと思います。

 それと同時に、21世紀に勢いをましてきている「権威主義的国家」の論理を見せつけられたことによるショックなのかも知れません。

 「権威主義的国家」とは、欧米や日本などの民主主義的国家と異なり、一人のリーダーにが権力を持ち支配する国家のことで、ロシアや中国などの国家形態がそれにあたります。

 権威主義的国家は、まるで18世紀~19世紀の帝国主義国家のようで、事実その時代の帝国の領土と重なります。

 20世紀末、ソ連崩壊によって世界は民主主義が勝利したと高らかに宣言したのは、フランシス・フクヤマ氏の説でしたが、中国の発展やロシアの再台頭によって軍備が増強され欧米諸国と匹敵するようになり、

それが覆される現象が起きてきていて、今回のウクライナ侵攻は、それが現実のものとなったのだと思います。

 そしてこの戦闘にリアリティをあまり感じないのは、様々なフェイクニュースなどの映像、サイバー攻撃、ドローンによる撮影など、やっていることは従来の戦闘と変わりなく死傷者が出ているのに、それがハイテクによって行われているからです。

 どうかこのリアルな戦争を一刻も早く終わりにしてほしいです。