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潜在する緊急事態

 デザイナーの高田健三氏がパリで新型コロナウィルス感染でお亡くなりになりました。

 ヨーロッパでは緊急事態宣言解除後、再び感染が拡大し、フランスでも再度緊急事態宣言がだされるかという事態になっているようです。

 バカンスで人々の往来が増えたことが原因のようですが、東京が10月1日からGO TO TRAVELの対象になって、秋の観光シーズン到来で、人の行き来が増えることによる感染への影響が懸念されます。

 緊急事態宣言が出されて、多くの会社でリモートワークになって早半年。

 患者さんの中にリモートワークがもたらすストレスが原因の症状が目立ってくるように感じます。

 リモートワーク当初は、通勤の苦労や会社でのあれこれのストレスから解放されるようになって、楽になったと喜んでいた方も、自宅が仕事場となり、ひたすら狭い一室で会社からの遠隔監視を受けながら、一日中変わらぬ仕事量をこなしていかなければならず、

 「まるで監獄に閉じ込められて仕事をしているよう。」な環境で長期間過ごすことを余儀なくされているようです。

 通常勤務と同じように休日もあり、休憩もとれるようですが、一人狭い空間でひたすらパソコン画面に向かうということは、(作家などの職業を除いて)、相当ストレスが溜まるのではないかと思われます。

 何より、都内で一人暮らしをしている場合は、会社で同僚や上司の人とおしゃべりをしたり、オフィスフロアを行き来したり、時には皆でランチを食べたりと、仕事以外の「息抜き」によって、適度に心身を緩めることができなくなったということが大きいと思われます。

 そしてこの状態がいつまでつづくのか。

 新型コロナウィルス感染による緊急事態宣言は解除されても、未だにその状態と変わらぬ日常を余儀なくされ、それが長期化することにより、心身にどのようなマイナス影響がもたらされるのか?

 それがじわじわ現れてきていることを危惧しています。