朝日新聞の論説委員で昨年末急逝された外岡秀俊氏の最後の記事は、長年新聞記者をしてきた氏の
新聞業界低迷に対する内部からみた分析と批評が語られていました。
その中で勝因には好機や偶発的な要素が絡み、成功体験はむしろ、過度な自信や錯覚となって将来に過誤をもたらす。敗因にこそ、不確実な未来への指針が隠されていると思うからだ。
というコメントがありました。
人間はどうしても自己愛が強く自己肯定するために、成功体験を色付けして自分に都合のいいように解釈しがちです。
「うまくいったこと」は自分の能力のおかげ、失敗は様々な外部要因せいと、成功のことは批判的に検討することが難しいです。
自分自身振り飼ってみて、人生で「うまくいったこと」の99%は、運、周囲の人の助けのおかげであったと、厳密に振り返って思います。
それなのに、その偶然を当然のこととして感謝したり、たまたまラッキーだったのだから、次回のことは保証されていないという当たり前のことを忘れ、変化に対して鈍感になり、努力を怠り、そして必然的に「うまくいかない=失敗」に陥るようになります。
「うまくいったこと」が、自分とは関係のない要因によるものと謙虚に認めれば、事態の改善なりに迅速に対応できるはずなのに、「そんなはずがない」という成功体験にしがみついて事態を益々悪化させてしまいます。
失敗こそは「不確実な未来への指針が隠されている」という外岡氏の遺言を心に留めて、失敗を教師として学んでいこうと思いました。
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