昨日の東京都のコロナウイルス新規感染者数は90人台。100人を下回るのは11か月ぶりだそうです。
このような状況を1か月前に予想できたでしょうか?
第五波の感染者数は、それまでの流行期とは比べものにならないほど、急激な急増でした。
指数関数の威力に改めて気づかされた体験でもありました。
二倍、四倍、16倍、と倍々の増加の指数関数の様相を、どうも人間の脳は把握できないようになっているようです。
進化心理学によると、現在のヒトの脳の機能は1万年前の狩猟採集生活を送っていたころに出来上がったもので、進化のスピードは人間の文明の進化のスピードと比べて非常にゆっくりで、それが21世紀を生きる私たちの環境とのギャップを生み出しています。
指数関数を感覚的に把握できないのもその一つだそうで、狩猟採集生活は最大150人ぐらいで営まれており、人間の脳はその人数内であれば、ほぼ全員を把握できるそうで、それ以上になると難しいようです。
そして数の増加も、足し算的なものなら可能ですが、倍々の増加はどうもイメージがわかないようです。
だから感染症の増加のような指数関数的な増加傾向に対して、私たちは面食らってしまって、
その増加の爆発も永遠に続いていくように想像してしまうのでしょう。
増加が指数関数ならば、減少も指数関数。あっという間に減少することに戸惑ってしまいます。
感染者数の減少の原因は、ワクチン接種の普及、人々の行動変容など、様々な要因があると思いますが、
それでも、あれだけの急激な増加が、こんなにも「あっけなく」減少したことに、
腑に落ちない思いを抱くのは、やはり、指数関数を把握できないヒトの脳の所以かと思います。
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