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数値の実感

 新型コロナウィルス感染の死亡者数が1年半ぶりにゼロになったいうニュースをネット配信で読みました。

 7月~9月中旬までの第五波の感染拡大時の状況から、1か月でこのような状況になるなんて想像できませんでした。

 9月中旬から急激な感染者数の減少が数値で表され始め、それまでいろいろな対策を呼びかけられていたのに、一向に減少傾向が見えなかったので、当初は信じられなく、実感がわきませんでした。

 9月末で緊急事態宣言を解除すると政府が発表したときも、「本当にいいの?」と不安になったほどですが、

 減少傾向から今日の事態は統計学的に予想できたのでしょう。

 ウイルス感染は自然現象です。自然現象の多くはべき乗則な動態を示すので、それに人為的な操作を及ぼすことは困難だと考えられています。

 しかし、ウイルス感染の感染対象は人間なので、人間の側の変容が自然現象であるウイルスの動態に影響を及ぼすことはある程度可能なのかもしれないと、今回の急激な減少傾向について、様々な原因が考えられているようですが、複雑系の自然現象に対して、これ一本でという決定打は存在しないのでしょう。

 だから、感染当初も感染拡大時もそして感染減少時の今も、感染に関する数値に対して、私たちの生活で体験していることを感じ取ることが困難です。

 そして何より実際の自分の感染予防行為がそれらの数値とダイレクトに結びついているという実感をもてないまま、もやもやとしたおもいを抱えながら、これからも過ごしていくのだろうと思います。