カスピ海ヨーグルトで有名な家森幸夫氏がWHOの調査員として世界各国の長寿地域の食調査の体験を語るラジオ講座を聴いています。
同じ乾燥地域で隣り合った地域であっても、遊牧民とオアシスの住民では、食生活にかなりの違いがあり、
それが住民の健康度と寿命に大きな影響を与えていることが住民の24時間の尿調査などで明らかになったそうです。
遊牧民の主食は、肉食で、野菜はほとんど食べず、高塩分、高脂肪食であるために、住民の多くは高血圧、高コレステロール、高脂血症の傾向がみられ、老年になると脳血管障害や心臓疾患で亡くなる割合が高いようでした。
一方オアシスの住民は、山岳地帯を源流とするカレードと呼ばれる深い井戸による豊富な水で農作物が作られていて、様々な種類の野菜を使った炊き込みご飯や、ヨーグルト、抗酸化作用のあるレスペラトールを多く含ブドウも多く食べ、塩分は少ない食事を摂っていました。
そして大家族でブドウの木の下で毎晩たのしくわいわいと食事をし、老年になっても孤立することなくコミュニケーションが活発な生活をしているようでした。
その結果、血圧も正常範囲で、高脂血症の人も少なく、健康年齢の高い長寿の人の割合が高かったようです。
家森氏が調査した1980年代は、このようにオアシス住民の人の食生活は、質素であるけれども栄養バランスの良いものでしたが、20年後に訪れて再調査したところ、生活が豊かになったことに比例して、肉食の割合や、塩分の多い加工食品などを多く摂取するように変化していたということです。
今後オアシス住民の寿命も短くなる可能性があると思われます。
食生活は、長い間かけてその人の健康に大いに関係するということを教えられました。
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