投資家藤野直人氏がインタビューで語っていた「主観の檻」という言葉に改めて、私たちが各々全く別の世界を見ているのだと気づかされました。
「自分が美人と思う女性ではなく、多くの人が美人だと思う人に投票するように」、株を買うというケインズの「美人投票」の株式市場の原理がありますが、それは何も株購入というだけでなく、私たち人間の世界観の原理は、脳の機能上など生物的制約もあってそうなっているということです。
藤野氏が投資家という職業上、そのことにとりわけ敏感なのでしょう。
「主観の海」という言葉でも表現していました。
自分の考えというのは自分の脳の刺激に過ぎない。世界は世界の人々の分、人の脳の分だけ世界は存在する。
私たちすべては「主観の檻」に囚われた囚人であり、それを飛び越えることは非常に困難というか不可能であるということです。
今回のコロナ禍でも、それぞれが置かれた立場において、捉える世界は各々であると。
その前提を誰もが異なる主観で生きている=「他者」であると意識することはコミュニケーションの根幹に関わることだと改めて意識しました。
「主観の檻」を飛び越えるのは非常に困難であるけれども、その奇蹟の跳躍の可能性こそが、他者とつながることなのかも知れないと思いました。
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