地震学者木村政昭編「検証 首都圏直下地震」を読んで、地震予知は天気予報と同じで、複数の地震に関係する過去のデータの孫奐関係からかなりの確率で因果関係が立証可能になっていることを知りました。
そして意外にも、首都圏直下型の地震の起きる確率はそれほど高くなく、南海トラフ地震を引き起こすとされる西日本太平洋側の三領域連動型地震は、起きにくいのではないかということ。
それよりも奄美・沖縄周辺に巨大地震と津波が生じる可能性が高いこと。最近のそれらの地震や火山の頻発から、氏の言われていることの信ぴょう性を感じました。あまりマスコミでは騒がれていませんが(住民が少ないから?)。
氏の地震予知の元となっているのは、過去の震度6以上の地震が発生した箇所をプロットするとドーナツ状に形成され、その輪の中に「空白領域」が出現し、それを「地震の目」として、巨大地震が発生する確率の高い領域と想定しています。その「地震の目」は、地震が発生する直前になると、小さな地震を頻発するようになり、その回数の山の三回目が途切れる時に、大地震が発生するパターンが浮かび上がってきたそうです。
それは東日本大地震の場合もみごとに一致して、木村氏は地震の発生を事前に予知していたようです。
考えてみれば、地震はプレート同士のこすれあうエネルギーが蓄積した反動で生じるとされているのだから、地震が頻発する領域で、そこだけ地震が生じないスポットというのは、エネルギーの歪が蓄積されているということで、それが限界に達したときに地震が生じるというのは理にかなっていると思います。
また大きな地震が生じたことによって、その歪のエネルギーが解消されるということで、東日本大震災の地震によって、首都圏直下地震、東海地震を引き起こすとされた歪エネルギーが解消された可能性もあるというのもうなずめます。
木村氏が注目しているのは、火山と地震の関係で、プレートも火山も同じ地下のマグマの活動によるエネルギー現象であり、双方の距離が近いときに片方の現象がもう片方の現象の兆候となるというのも、理にかなっていると思います。
首都圏直下型地震の信号となる可能性があるのは、伊豆諸島、三宅島の火山噴火だそうで、それが生じたエネルギーの蓄積が30年後ぐらいに地震を発生させる要因となるそうで、1986年の三宅島噴火から30年後の2010~20年代は首都圏直下型地震が生じる可能性が高まっていると木村氏は推測します。
私の住む首都圏直下型の地震はプレート型の地震の起きる可能性は低く、火山活動の影響による地震発生の可能性が高く、それはいつきてもおかしくないのだということも実感しました。
コメントをお書きください