世界各地で食生活が健康に与える影響を調査されてきた疫学者家森幸男氏のラジオ講座で、
世界の長寿地域食の2雄とされる、地中海食と和食に共通するものは何かについて話されていました。
どちらも、豊富な魚介類や抗酸化作用のある野菜を多く摂取しています。
マグネシウムは、クルミや全粒粉の穀物や緑黄色野菜に含まれ、緑黄色野菜の葉緑素はマグネシウムを構成要素とし、魚介類にはタウリンが豊富に含まれています。
これらの物質は、交感神経の働きを抑え血圧を下げる作用があります。
なぜマグネシウムやタウリンがそのような作用を人間の身体にもたらすのかというと、
それには、太古の昔、生命が海で生まれた時まで遡ります。
生命は海水に含まれるマグネシウムを細胞に取り込んでいましたが、
やがて淡水域やら陸へと生活空間が変化すると、マグネシウムを海水濃度と同じように体内に一定量含むようになりました。
だから、私たちの体は一定量のマグネシウムを必要とします。
タウリンは、体内でマグネシウムによる反応の際に働いたり、過剰なコレステロールの原因となる胆汁を排出する働きもあります。
地中海食も日本食も実は味付けが濃く、塩分濃度が高いそうですが、マグネシウムとタウリンの働きによってそれが抑えらえるため、この地域の住民は高血圧が少なく、したがってそれが原因の脳血管障害も少ないようです。
私たちの身体の細胞は、太古の時代の単細胞の「記憶」が宿しているのだなあと思いました。
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