患者さんから、自宅の庭になった甘夏と、
これまたべつの患者さんから、知人からもらった文旦をおすそわけしました。
どちらもおおぶりで、甘夏はオレンジ色、文旦はレモンイエロー、
まだまだ寒い日が続いていますが、鮮やかな果実の色を見ていると、春が近づいてきているのを感じます。
柑橘類は初夏に花を咲かせて秋から冬に実るので、最近では冷蔵などで出荷時期を調節できるようですが、
それでも、初冬のリンゴにつづいて、晩冬の柑橘類へと移り変わっていくと、
そろそろ冬も終わりに近づいて生きているのを感じます。
「これはレモンの香りですか?」堀端で乗せた客が話しかけてきました。
運転手はにこにこして振り返り「夏みかんの香りです。田舎から送られてきました。」
という、s用学校の教科書に載っていた、あまんきみこ氏の「夏みかん」という小説を思い起こしました。
このごろ物覚えが悪くて、読んだ小説の内容も読み終えた瞬間すっかり忘れてしまうほどなのに、
50年前に読んだ記憶は、たわわに実った柑橘類の果実の色によって、
鮮やかに思い起こされました。
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