メイソン・カリー著「天才たちの日課」を読んでいます。
天才的な偉業をなしとげた偉人たちが、その才能を発揮するために、日常どのような生活を送っていたか、
残された当人、知人の証言などを文献から採集したものです。
それを読んで感じたのは、才能はその裏にたゆまぬ努力が合わさって開花するものなのだなあということです。
大部分の偉人たちは、内面から突き上げてくる創造のほとばしりを形のあるものとするには、
その作業を持続する時間が必要不可欠であり、それらの営みを彼らの生涯を通じてできるだけ長く継続するためには、並外れた知力、体力、根気力を自らの創意工夫によって維持し続けなければならないことを良く理解していたようです。
そのための彼らの対策は、「ルーティン生活」です。
ほとんどの天才たちは、傍から見れば、奇妙でこっけいなほど、彼ら独自のユニークな方法で、かたくなにルーティン生活を死守した暮らしを生涯送っていました(いるという現在進行形の現存する天才もいます)。
天才的なひらめきや独創性は、一瞬のうちにわき起こる者であるかもしれませんが、
それは化学反応にも似た励起状態によって生まれるようですが、常にその状態を維持するのは不可能です。
よって、彼らの見出した方法は、できるだけそれに近い状態に「いつでも」なれるような、
つまり、心身のアップダウンがあまりなく、常に創造のためのベストなコンディションでいられるように、
規則正しく、同じような、日常生活を送るということです。
それはまるで宗教の儀式のように行われ、それが彼ら独自のものであり、
天才的才能を持っている人が往々にしてそうであるように、
かなりエキセントリックで、偏執的な様相を帯びているものもあります。
しかし、そのような日々を送る中で、天才的な偉業が成し遂げられたのだと思うと、
「天才は一日にしてならず」
を実感しました。
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