宇根寛著「地図づくりの現在形」を読んでいて、テクノロジーの進化が地図に与えた影響の大きさに改めて気づきました。
地図は国家形成の概念と深く結びついていて、江戸時代に伊能忠敬らが日本全土を実際に歩いて測量し、正確な日本地図を作ったのは、鎖国をしていた徳川幕府にとって、度重なる列国の侵入に悩まされて国土の領海をはっきりさせたいという思いからです。
日本で本格的に国家事業として地図づくりがはじまったのは、明治以降近代国家として国民国家の体をなすため、大陸進出のため国土を正確に把握する必要性があったためだということです。
現在でも地図つくりは「国土」地理院が行っています。
以前は人が実際に歩いて測量して地図を作っていましたが、現在はGTSやドローンやレーダーなどを活用して、実際に踏破が困難な場所でも瞬時に正確に測定できるようになりました。
何より、地図を活用する側が、パソコンやスマホやカーナビを利用して、自分の欲しい地図情報を瞬時に手に入れることが可能になって、活動範囲を広げるのに寄与しています。
「地図を読めない女」と言われることもありますが、私は幼いころから地図を読むのが好きで、自宅のテレビの置かれている部屋の壁に日本地図と世界地図が貼ってあり、ニュース番組でその地域の話題が出るたびに、どこかなあと探し当てるのが楽しみでもありました。
今でも住んでいる世田谷区の地図を
「この道ここにつながっているんだ。」とか
「今度この公園にいってみよう。」とか、
ぼろぼろになった地図を眺めています。
地図に描かれた地にイマジネーションを拡げ、実際に訪れた時とのギャップを楽しむのも
地図ラバーの冥利です。
コメントをお書きください