とうとう東京をはじめ7都府県で「緊急事態宣言」が出されましたね。これは流行拡大を防ぐとともに、第一の目的はパンデミックが生じている諸外国で医療崩壊が生じているのを回避するためだと思われます。
現在のコロナウィルス流行による死者は、先進国の緊急医療が通常通り稼働していたら助かったであろう医療崩壊によるものが多くを占めていると思われます。
また医療は先日もブログに書いたようにコロナ対策だけでなく、もちろん多くの病を抱えている人たちを治療するためのものですが、医療崩壊が生じたら、それが機能しなくなる。
感染患者急増で医療関係者は連日激務、過重労働で大変でしょうが、患者の命はあなた方の働きによって支えられています。どうかよろしくお願いします。
朝日新聞で福岡真一氏が、ウィルスと「動的平衡」の関係について書いていました。
病気は免疫システムの動的平衡を揺らし、新しい平衡状態を求めることに役立つ。そして個体の死は、その個体が専有していた生態学的な地位、つまりニッチを、新しい生命に手渡すという、生態系全体の動的平衡を促進する行為である。
「病気は免疫システムの動的平衡を揺らし」、「個体が専有していた生態学的なニッチ」という言葉に、ウィルス感染の流行という現象が、実は生命全体の平衡(バランス)の観点からは、新たな環境に適応するための「ゆらぎ」という柔軟性を生み出すための役割もあるのだということを知りました。
そしてウィルスは実は、私たち高等生物から「飛び出した」、つまり、元は私たち自身であったということにも驚き!
私たちのゲノムのかなりの割合(確か2割以上)が、ウィルス由来だということは知っていましたが、ウィルス感染現象は、家で娘が再び懐かしの家族に戻ってきたようなものなのだと。
その証拠に、ウィルス感染した細胞膜は、あたかも「よく戻ってきたね」と満身の笑顔で迎える母親のように、自らウィルスの膜と融合し、その遺伝子を招き入れるようです。
そのようなウィルスと人間を含め高等生物との関係を考えると、福岡氏の言われるように、ウィルスを他者としてそれに攻撃をし、撲滅させるというやり方では感染流行を抑えることは難しく、「何を考えているのかわからない、やっかいだけれども、どうにかうまくつきあっていくしかない。」家出少女と付き合っていくように、懐柔作戦でウィルスに対処していくしかないのではないかと思います。
その意味で、ウィルスとの適切な距離感=「三密をさける」は、もっとも効果的な「ウィルスとの付き合い方」なのではないでしょうか。
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