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私の青春が終わった

 近藤等則氏が死去されました。死因は明らかではないですがどうも急死のようです。

 近藤さんらしい死に方(100歳まで生きるとおっしゃっていたようですが)だなあと感じました。

 思えば、全く音楽に縁がなく、大学卒業するまでライブにいったこともなかった私が、

 深夜のテレビで近藤IMAバンドの演奏を聞いて、雷に打たれたように魅了され、

 それから狂ったように4~5年間、近藤・IMAバンド、フリクション(IMAバンドのベース、RECKのバンド)のライブはすべて聴きに行きました。

 都内のライブハウスはもちろん、香港でのライブまで。。。

 大音響(過ぎる?)で炸裂するトランペットの音が、ドラム、シンセ、ギター・ベースの混然とした即興のグルーブに乗って混然一体化した音は、

 魂の底までゆすぶられる、ぶっとんだ経験でした。

 そしてお決まりのおっかけのようになり、来る日も来る日も、友人と彼らの話題となり。。。。

 あれは、私にとって遅れた青春だったのだなあと、

 バブルという時代のうねりもあって、完全に日常をトリップした20代でした。

 それが、憑き物が落ちたように、

 急に音楽に興味を失い、

 改めて、自分の日常を見直したとき、

 30歳を目前の何にもない自分がいました。

 30歳で鍼灸学校に入り、それから治療家として修業と働き始めて、

 全く音楽から遠ざかり、近藤さんの音楽もフリクションの音楽も全く聴かなくなりました。

 もともと活字人間の私の中に音楽の必然性はなかったようです。

 近藤さんの音楽によって、人生の彷徨期の魂が活性化されて、

 次のステージに進むことができたようです。

 近藤等則氏の死去によって、私の青春がようやく成仏できた気がします。