ついこの間まで、じっとしていても汗が出てくるような気候だったのに、
急に寒くなり、空気が乾燥してきたのを肌の状態、特に手足や顔のカサカサ感から感じます。
田上八朗著「皮膚の医学」を読んで、皮膚というのが人体の最大の免疫機構であるということを知りました。
皮膚の表皮の最上部にある角質が外部からの異物の侵入をバリアする働きがあります。
角質は表皮細胞が表面に上がってきて、その細胞の死骸が幾層にも重なった構造となっていますが、
空気中に漂う水や埃や細菌やウイルスまで!角質の構造が健全に保たれている、つまり傷ついて壊れていない限り、びた一文も通過させない頑丈な砦となって、私たちの体の内部を異物から守っているのです。
しかし、傷ついたり、かきむしったり、ごしごしと摩擦したり、石鹸などで洗いすぎると、バリア構造が破れ、そこから異物が侵入し、その異物に対して表皮の真皮にある免疫細胞がそれを攻撃し、その反応として腫脹や発赤や痛みなどが生じる、つまり怪我したときの状態になります。
皮膚は、逆に、体内の水分を調節しています。
それは体は皮膚という水袋に入っているようなもので、それは太古の昔、生物が水の中で生まれ生息していて、上陸した際に、皮膚が外界の乾燥に対して内部の水分を保つ働きをするように角質が進化してきました。
また皮膚の角質には、何億という常在菌が棲んでいて、人間の出す汗や垢を分解して食べています。汗や体臭が臭うのは、脂肪やアミノ酸の分解によって発生するアンモニアなどの臭いです。
角質は過度に乾燥すると壊れやすくなり、バリア機能が損なわれます。
これから益々乾燥する季節。
私の保湿手段は、もっぱら自家製のゆずローション(ゆずの種を焼酎につけて半年。そのエキスにグリセリンを入れて攪拌させたもの)。
市販のものに比べてグリセリンの量が多いためか、少々べたべたしますが、保湿効果は抜群。
この冬もせっせとゆずローションを塗って、皮膚の乾燥を防止しようと思います。
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